特集

2021.11.11

京丹後のおせちで迎える、旬を味わう新年

「KISSUIEN Stay & Food」(プラザホテル吉翠苑)のおせち


KISSUIEN Stay & Foodは、京丹後市峰山町に位置し、夏の海水浴シーズン、冬の松葉ガニシーズンだけでなく、1年を通してビジネスマンにも人気のホテル。宿泊客だけでなく、地元の人も楽しめる旬のランチメニューやビアガーデン、地元で開かれるイベントなどにも積極的に参加する“地域密着型”のホテルだ。

 KISSUIENがおせちの販売を始めたのは4年前。「吉翠苑のおせちで新年を迎えたい」という地元の人の声から始まり、最初は10個ほど販売。手に取った地元のお客様にとても喜んで頂けたことから、毎年継続して取り組み、今に至る。「遠方にいる息子にも丹後の味を届けたいという気持ちもあり、想いをこめて作ったのを覚えています」と、総料理長の大垣恒男さんは話す。
 KISSUIENのおせちは、全て当ホテルの料理人の手作り。食材も地元産にこだわり、海の幸、山の幸をふんだんに使用している。仕入れは、普段から付き合いのある生産者に依頼し、旬で新鮮なものを揃える。お重を開けたときの華やかな彩り、素材の良さが繊細に引き立つ味わい。所々に、料理人たちの心遣いと技術が散りばめられている。



右:総料理長 大垣恒男さん  左:料理長 山本博之さん
右:総料理長 大垣恒男さん  左:料理長 山本博之さん




京丹後の地と共にある、KISSUIENのおせち

 約50品目、4〜5人前のお料理がぎっしりと詰まったおせち。どれも目移りしてしまうほど豪華で美味しそうだ。中でも特におすすめしたい3品を紹介してくれた。まず、京丹後市丹後町産の「黒あわび」。「地元の中浜婦人会の元気なおばちゃんが、海のすぐそばで手間ひまかけて養殖しているんですよ。いつも新鮮で美味しいあわびを届けてくれます」と、山本さん。一度あわびを蒸し、そこからさらに時間をかけて、鰹と昆布で取った独自の出汁で炊く。柔らかく、噛めば噛むほどに香る優しい磯の香りを愉しんで欲しい。
 次に、京丹後市網野町産の京たんくろ和牛を使った「たんくろローストビーフ」。低温でじっくり3時間かけて加熱するため、とても柔らかく仕上がっている。味噌漬けになっていて、味噌はKISSUIENのすぐそばにある⼩野甚味噌醤油醸造のものを使用。京たんくろ和牛の生産者から「お肉を吉翠苑さんのお料理に使ってみて欲しい」と声がかかったことから、おせちの一品に加わった。
 そして3品目は、KISSUIENでの通称「女将の柚子」と呼ばれる、「あみがさ柚子」。通称の通り、KISSUIENの女将さんの実家へ料理人たちが柚子を収穫しに行くのだそう。柚子の皮の表面をおろし金でおろし、柚子の中身をくり抜き甘露煮にする。爽やかな柚子の香りと甘味がお節のアクセントになっている。



ぎっしり詰まった、色とりどりのKISSUIENの「宝箱おせち」
ぎっしり詰まった、色とりどりのKISSUIENの「宝箱おせち」




「これが京丹後の味」自信を持ってお届けします

 「私たちは日々、お客様にいかに旬を愉しんで頂こうと考えながら、“料理を作る”という仕事と向き合っていますが、このおせちもそれと同じ気持ちで作っています。地元産のものを食べて心がホッとするような、地元とお客様に寄り添ったお料理を、おせちでも自信を持ってお届けしたいと思っています」と大垣さん。一品ずつ、想いを込めて手作りされたKISSUIENのおせちを囲めば、ゆったり、ほっこりとした新年の時間を過ごして頂けるはず。



KISSUIEN Stay & Foodの従業員の皆さん。
KISSUIEN Stay & Foodの従業員の皆さん。




株式会社小谷常 代表取締役社長 志水建介さん
株式会社小谷常 代表取締役社長 志水建介さん




丹後の冬といえば松葉ガニ。丹後ひもの屋の豪華なおせちで新年を!

 京丹後市にて旅館、土産物店を営む株式会社小谷常。土産物店「丹後ひもの屋」では1年を通し、地元産の旬の海産物の干物、燻製を中心に販売しており、多くの観光客で賑わう。特に冬には、山陰地方の冬の味覚である松葉ガニ目当てのお客様が多く訪れる。10年以上続く、松葉ガニを生け簀からお客様が販売員と一緒に選び、その場で捌いて提供するサービスは、当店一番の自慢だ。
 お話を伺った代表取締役社長の志水建介さんも、自ら仕入れのためセリ場へ足を運び、身詰まりなどカニの状態を見定める。カニはとても繊細な生き物のため、仕入れ後の管理も徹底している。店舗にある水槽には常に500〜600匹、最大時には1000匹もの松葉ガニがいて、担当の従業員が全てのカニを毎日、活きの良さなどの状態をチェックする。「うちで扱う松葉ガニは自信を持ってお客様に提供しています」と、志水さん。
 長年松葉ガニを扱ってきた丹後ひもの屋がおせちの販売を始めたのは2017年のこと。新年の始まりに、お客様により手軽に松葉ガニを愉しんで頂く提案をしていきたいという想いから、“松葉ガニおせち”の販売を始めた。同社の旅館に宿泊したお客様や前年の購入者からのリピートが多く、既に丹後ひもの屋の名物となっている。



自社の生け簀の松葉ガニの様子を毎日欠かさずチェック。
自社の生け簀の松葉ガニの様子を毎日欠かさずチェック。


丹後ひもの屋の「松葉ガニおせち
丹後ひもの屋の「松葉ガニおせち "間人"」




松葉ガニおせちに詰まったこだわり

 「松葉ガニ海鮮箱」と「琴引おせち彩重箱」の二段重で構成された、松葉ガニおせち“間人”。メインの「松葉ガニ海鮮箱」には、3種の甲羅盛りがぎっしりと並ぶ。
 まず1つ目の「松葉ガニ雄入り甲羅盛り(上記表示写真、奥2個)」には、松葉ガニのカニ身と、カニのおこわが入る。カニ身は絶妙に調整された塩加減で茹でてあり、ひと口食べればカニの香りと出汁の旨味を堪能できる。おこわにもカニ身が入っており味わい、ボリューム共に満足して頂ける甲羅盛りだ。
 次に、紅ガニのカニ身のボイルがふんだんに乗った、「香住ガニ甲羅盛り(手前左右2個)」。松葉ガニと紅ガニの違いによって、塩加減や茹で時間も繊細に変えている。「松葉ガニと紅ガニの味わいや食感の違いも愉しんで欲しいですね」と、総料理長の家原孝二さん。
 そして「カニ海鮮盛り(手前中央)」には、カニ身、いくら、タコ、エビ、バイ貝、サザエが煌びやかに盛られている。いずれも味付けはシンプルに、独自のこだわりの出汁で炊くなど海鮮の味わいが一番に引き立つものになっている。
 どれも食べやすく調理されていて、年代問わず家族で楽しめるおせちだ。「当社のリピーターのお客様はもちろんですが、特に若い方々に松葉ガニの美味しさを知ってほしいです。そしていつかこの産地にきて食べて欲しいですね」と志水さんは話す。



総料理長 家原孝二さん
総料理長 家原孝二さん




京丹後ならではの味とくつろぎを届ける存在でありたい

 旅館としても土産物店としても、コンセプトにしているのは「四季を通して新鮮な地元産の食材を一番良い状態でお届けする」ということ。そのためには、食材の仕入れ、管理、調理まで手間ひまを惜しまない。「このおせちをはじめとし、『また食べたい。また行きたい』とお客様に思って頂けるさまざまなサービスを、今後も提供して参ります」
 おめでたい新年の始まりに、丹後ひもの屋の「松葉ガニおせち」で、贅沢で豊かな京丹後の旬を感じてみてほしい。