特集

2020.11.02

百歳長寿のまち

京丹後市は、百歳以上の方(百寿者)が多いまち。百寿者が人口10万人当たりに占める割合(百寿率)は、全国平均の3.1倍となっている(2020年9月現在)。「長寿世界一」「男性史上最長寿」のギネスワールドレコードを認定された木村次郎右衛門さん(故・116歳)も本市出身。このまちの“何”が長寿の秘訣なのだろうか。
京丹後市は、2013年、長寿の秘密を明らかにするため百寿者の食生活について聞き取り調査・分析を実施。その結果、京丹後市が有する海山里から獲れる、風土が産んだ素晴らしい食材と料理、それを保存する知恵、食材を無駄なく美味しく食べる調理法など「食べごとの知恵」が支えていることがわかった。
 世界ジオパークに認定される海と山、里、そして人々の暮らしが織りなすまちには、はっきりとした四季と土壌の豊かさを背景に、食味ランキングで特Aを何度も受けている「丹後米」をはじめ、多品目の「京野菜」、甘くてジューシーな「梨」「メロン」「ブドウ」などの農作物が豊富にとれる。また、幻のカニとも言われる「間人ガニ」、「丹後トリガイ」「久美浜カキ」のほか、底引きや定置網などの漁法によって旬の魚や肉厚のわかめにいたるまで、多くの海産物が水揚げされる。
 恵まれた旬の食材を、日々のおかずに、ハレの日の料理に、保存食にと加工し、連綿と受け継いできたことが、大きく寄与している。
 京丹後市のふるさと納税の返礼品の中にも、こうした旬の幸が並んでいる。
 「これを食べれば長生きできる」というものではないが、素朴で勤勉な京丹後の人々によってつくられた食を、ぜひ、手にとっていただきたい。